日本ウズラから分離した Eimeridae の新種 : Eimeria tsunodai について
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概要
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日本ウズラ(CoturnixcoturnixjaPonica)から,従来の記載にない1種類のEimeriaを純粋分離し,その形態,生物学的諸性状,宿主特異性について観察を行なった.オーシストには,ミクロパイルは認められず,大きさは平均18.4×14.1μ,外部残体は認められなかった.Polarinclusionはほとんどのものにみられた.胞子形成時間は,25。Cで22~24時間.Prepatcntpcriodは6日,Patcntperiodは約11日間であった.寄生部位は盲腸のみである.肉眼的には,盲腸粘膜の肥厚と点状出血,組織学的には,第2代シゾントはおもに粘膜組織内にみられ,あるものは粘膜筋板,および輪走筋に接した所にまでみられた.またこれらの成熟したものは,PAS反応陽性であった.しかし,スポロゾイト,初代シゾントおよびガメートサイトは,盲腸の絨毛上皮細胞中に寄生していた.また,このEimeriaは日本ウズラと近縁の鳥類である二ホンキジ・コウライキジ・ヤマドリ・コリンウズラ・コジュケー・ニワトリなどには感染が成立せず,一方,これらの鳥類から分離したEimeriaは,いずれも日本ウズラに感染しなかった.以上の結果から,今回分離したEimeriaは,日本ウズラを宿主とする新種と認め, Eimeγiatsunodaiと命名した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1972-02-25
著者
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