仮性狂犬病混合糖蛋白ワクチンの妊娠豚に対する効果

概要

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仮性狂犬病ウイルス混合糖蛋白ワクチンを, ウイルス感染細胞を可溶化後ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによって調製した抗原にオイルアジュバントを加えて作製した. 本試作ワクチンは1ヶ月齢豚では, 攻撃後のウイルス排泄を抑制し, マウスではCTLを誘導することをすでに報告したが, 今回は試作ワクチンの妊娠豚におけるウイルス排泄と繁殖障害の抑制効果を調べた. 3頭の繁殖用母豚に交配前1週までに3週間間隔で2回ワクチンを注射し, 3群に分けて各群1頭のワクチンを接種していない対照豚と同時に交配後28, 54, 85日目に10^6TCID_<50>の強毒ウイルスで鼻腔内攻撃した. ワクチン注射豚は中和抗体を産生し, 攻撃時の抗体価が高い豚では攻撃後のウイルス排泄量が少なく, その期間が短かった. ワクチン注射豚の排泄ウイルスの最高値は対照豚より10^<1.25>〜10^3倍少なく, 排泄期間はワクチン注射豚で1〜5日間, 対照豚で8〜12日間であった. ワクチン注射豚は妊娠期間中, 流・死産が認められなかったが, 妊娠後期に攻撃した対照豚に流産と死産が認められた. 本試作ワクチンは妊娠豚の流死産の防御に効果があることが明らかとなった.
社団法人日本獣医学会の論文
1998-01-25