DRT-CR法による犬の末梢血単核細胞からの犬ジステンパーウイルスヌクレオカプシド遺伝の検出
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概要
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犬ジステンパーウイルス(CDV)感染の迅速診断法の開発を目的に, 犬末梢血単核細胞から抽出したRNAを用いてRT-PCRを行い, CDVヌクレオカプシド(NP)遺伝子の検出を試みた. 用いた2組のプライマーは, NP遺伝子の2つの異なる領域を増幅するよう作られた. CDV Onderstepoort株を含む6種類の実験室継代株および実験感染によるCDV感染イヌを用いたRT-PCRの結果, すべての検体から効率よく増幅されたNP遺伝子断片が認められた. CDVワクチン歴のあるイヌも含め, 健常犬52頭からはNP遺伝子は検出されなかったが, CD様臨床症状を示すイヌ32頭中17頭より遺伝子が認められた. NP遺伝子を標的とするRT-PCR法は,検出感度の高い, 迅速で信頼のおける犬ジステンパーの診断法として有用であると思われる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1995-06-15
著者
-
見上 彪
東京大学農学部獣医微生物学教室
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甲斐 知恵子
東京大学農学部獣医微生物学教室
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森 健
東京大学農学部獣医微生物学教室
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玄間 剛
東京大学農学部獣医微生物学教室
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沖田 賢治
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
沖田 賢冶
東京大学農学部獣医微生物学教室
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辛 イーオン実
東京大学農学部獣医微生物学教室
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甲斐 智恵子
東京大学農学部獣医微生物学教室
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