イヌヘルペスウイルス糖蛋白gD (赤血球凝集素) の性状解析
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概要
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イヌヘルペスウイルス (CHV) YP2株の糖蛋白gDをCOS-7細胞と昆虫由来 (Sf9) 細胞で発現し, その性状を解析した. COS-7細胞とSf9細胞で発現されたgDは間接蛍光抗体法によりCHV gD (赤血球凝集素) に対する単クローナル抗体 (MAb) およびネコヘルペスウイルス1型 (FHV-1) gDに対するMAb25C9により認識され, イムノブロット解析によりそれぞれ約51-55と41-46kDaの分子量を有していることが示された. ツニカマイシンにより処理されたCHVgDは分子量約37kDaであった. 赤血球吸着 (HAD) 試験を行った結果, CHVgD発現COS-7細胞はイヌの赤血球のみを吸着し, コントロールとして用いたFHV-1gD発現COS-7細胞はネコの赤血球のみを吸着した. 赤血球凝集 (HA) 試験でも同様に, CHVgD発現Sf9細胞抽出物はイヌの赤血球のみを, FHV-1gD発現Sf9細胞抽出物はネコの赤血球のみを凝集した. これらHAD並びにHA活性はHA抑制MAbにより阻害された. CHVgD発現Sf9細胞抽出物をマウスに免疫した結果, 高いウイルス中和活性を有する抗体が誘導された. これらの結果から, CHVgDはFHV-1gDと構造的に似ているが, 異なる機能を有していることが示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-11-25
著者
-
玄 学南
帯広畜産大学原虫病研究センター
-
横山 直明
帯広畜産大学・原虫病研究センター
-
遠矢 幸伸
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医微生物学教室
-
前田 健
山口大学農学部獣医微生物学教室
-
見上 彪
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
前田 健
国立感染症研究所 ウイルス第一部
-
藤田 賢太郎
東京大学医科学研究所実験動物研究施設
-
横山 直明
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
藤田 賢太郎
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
川口 寧
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
小野 満
東京大学農学部獣医微生物学教室
-
遠矢 幸伸
鹿児島大学農学部家畜微生物学教室
-
玄 学南
帯広畜産大学
-
Matsui Takane
三菱化学安全科学研究所
-
前田 健
山口大学農学部
-
前田 健
Yamaguchi Univ. Yamaguchi Jpn
-
Tohya Yukinobu
Laboratory Of Veterinary Microbiology Department Of Veterinary Medicine Faculty Of Agriculture Kagos
-
Tohya Yukinobu
Graduate School Of Agricultural And Life Science The University Of Tokyo
-
Xuan Xuenan
Obihiro Univ. Agriculture And Veterinary Medicine Obihiro
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