マレック病ウイルス血清2型のヒト単純ヘルペスウイルス1型の糖蛋白gH遺伝子と相同性のある遺伝子の同定と遺伝子解祈

概要

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糖蛋白H (gH) は, ヘルペスウイルスの3亜科を通じて保存されている. 今回我々はマレック病ウイルス (MDV) 血清2型 (MDV2) のgH遺伝子と相同性のある遺伝子の同定, 遺伝子解析を行った. 予想されるMDV2 gH相同遺伝子をコードする領域は2436ヌクレオチドで, 初期転写産物は812アミノ酸からなり, 分子量は89.4kDaに相当する. MDV2 gH相同遺伝子のコードする蛋白は, 膜糖蛋白の特性を幾つか持っていた. 9箇所のアスパラギン酸結合型糖鎖付加部位と11箇所のシステイン残基が存在し, そのうちそれぞれ6箇所と8箇所がMDVの3つの血清型を通じて保存されていた. また, この蛋白質はアミノ末端とカルボキシル末端にそれぞれシグナル配列と膜貫通部位が存在した. ノーザンブロット解析の結果, MDV2 gH相同遺伝子のmRNAの他, TKとgH両遺伝子をコードするポリシストロン性mRNAの存在が示唆された. MDVの3つの血清型のgH相同遺伝子のアミノ酸配列の相同性はMDV1とMDV2の間で57.5%, MDV1とHVTの間の56.2%, MDV2とHVTの間の50.1%で, 他の糖蛋白で示されたのと同様にMDV1とMDV2の間の相同性が最も高かった.
社団法人日本獣医学会の論文
1997-08-25