サイレージ調製における乳酸菌Pediococcus sp.M-9株の接種効果

概要

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先に分離した乳酸菌Pediococcus sp.M-9株のサイレージモデル発酵系及び実験室規模ギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)サイレージにおける発酵特性を調べ, 以下の結果を得た。1.本菌株は, その生理学的性状より, Pediococcusに属するものと思われた。2.1M以上のNaC1,KCIまたはグルコースを加えたMRS液体培地において本菌株は他のLactobacillus属供試菌株よりも優れた増殖を示し, 低水分活性に対する耐性が高いと考えられた。3.サイレージモデル発酵系において, 本菌株の乳酸生成量は, 高水分条件下(培地乾物率16.8%)では他のLactobacillus属菌株より低かったが, 低水分条件下(培地乾物率63.5%)ではより高くなった。これは供試菌株の低水分活性に対する耐性の差異に由来すると考えられた。また, 520C下でも乳酸を生成し,他のLactobacillus属菌株との相違を示した。4.本菌株を接種したギニアグラス(P.maximum)サイレージ(乾物率65.0%)の乳酸含量はLactobacillus接種区のそれより約1.3倍高い値を示した。以上の結果から, Pediococcus sp.M-9 は低水分サイレージの調製に適するものと思われた。
2000-07-31