サイレージ調製における乳酸菌Lactobacillus curvatusの接種効果
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概要
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低温(40C)下で2ヶ月間貯蔵したソルガム(Sorghum bicolor Moench)サイレージから分離した乳酸菌3株の細菌学的性状及びサイレージ中における特性を, 先にサイレージ添加用乳酸菌として分離・選抜したLactobacillus plantarum株のそれと比較し, 以下の結果を得た。1.分離した3株の生理学的性状及び16SリボゾームDNAの部分塩基配列を調べた結果, これらはいずれもLactobacillus curvatusと同定された。これらの株は40℃下に MRS液体培地で良好な生育を示した。2. サイレージモデル発酵系において, 40℃及び10℃では, 分離したL. curvatus株はいずれもL. plantarum株よりも速やかに乳酸を生成した。3.イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)に上記4株を接種してパウチ法でサイレージを調製し(40℃で30 日間貯蔵), それらの発酵品質を比較したところ, L.curvatus株のいずれかを接種した区においてのみ明瞭な接種効果が認められた。これは,40℃におけるL. plantarum株とL. curvatus株の乳酸生成速度の違いによるものと考えられた。以上の結果から, これらのL. curvatus株は低温条件下でのサイレージ調製に有用であることが示唆された。
- 2000-07-31
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