ケダニ類の新属新種 Ralphaudyna amamiensis : J. Ralph Audy 博士への追悼の念を込めて
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概要
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ケダニ上科のケダニ科・ジョンストンダニ科などに属するダニ類の大部分は節足動物寄生性であるが, 同上科のツツガムシ科のダニ類に似た形態的特徴を持つために, しばしば混同されることがある。本稿では, さきに著者のひとりVercammen-Grandjeanによってツツガムシ科のアポロン亜科からジョンストンダニ科に移籍されたNothotrombicula, Grossiaの2属に, その他の既記載属6属とここに記載する新属Ralphaudynaを含めて, 合計9属が互いに近縁であり, 少なくともTrombellinae亜科の従来の定義を拡大して, そのChyzeriini族としてこれら9属を取り扱うべきこと, さらに独立科の新設の必要性などについて予報を行ない, 新種R. amamiensisを命名記載した。本種は奄美大島湯湾岳中腹において恙虫類の調査中, 著者のひとり鈴木により土壌中から採集されたものである。また新属名Ralphaudynaは, 永年にわたる恙虫病および恙虫に関する研究によって, 衛生動物学の発展に多大の貢献をされたJack Ralph Audy博士の死を悼み, 同博士を追慕する思いを込めて捧げられた。
- 1974-12-15
著者
-
熊田 信夫
名古屋大学医学部
-
鈴木 博
東京大学医学部産科婦人科学教室
-
Vercammen-grandjean P.
Hooper Foundation University Of California
-
Newell I.
Department Of Biology University Of California
-
ROBAUX P.
Museum national d'Histoire naturelle
-
Robaux P.
Museum National D'histoire Naturelle
-
Vercammen-Grandjean P.H.
Hooper Foundation, University of California
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