我が国における不快昆虫としてのユスリカに関する研究 : 2. 東京神田川におけるセスジユスリカ成虫の発生消長
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概要
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東京都心部を貫流する神田川からユスリカの大量発生が問題となっているので, 新宿区戸塚1丁目の多発地点で, 川岸(A), 川岸より25m(B), 川岸より60m(C)の3地点にライトトラップを設置して, 1972年7月より1976年11月まで5年間にわたりユスリカ成虫の発生消長を調査した。捕集されたユスリカの優占種はセスジユスリカChironomus yoshimatsui Martin & Subletteであった。発生は3月末から12月までの周年発生が認められ, 5月中旬から増加し, 夏期より秋期にかけてが最大値を示し, 11月以降になると急激に減少する。なお, 梅雨期や秋の雨や台風による増水の影響で一時的に捕集数が減少することがある。発生周期は1972,1973年では2∿3週間毎のピークを示したが, 1974年以降は明確な周期が認められなくなり, 連続発生の状況を示した。A, B, Cの調査地点別の捕集数の成績によれば絶体数には差異があるが, その消長には平行的な関係が認められた。発生数が多く, 住民に不快を与える期間と範囲はA地点で6月上旬∿11月上旬, B地点では7∿10月, C地点では著しく大量の発生をみた場合にのみ問題となるように推定され, 一般的には不快害虫として高密度で問題となる範囲は発生源から100m以内であると考察された。
- 1977-12-15
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