遮光および無遮光下で発育中並びに成熟したコーヒー葉の慢性的水ストレスに対する光合成反応

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無遮光下および遮光下(無遮光下の約20%の光強度)で生育したコーヒー葉の光合成に及ぼす長期間(約1カ月)にわたる水ストレスの影響を, 葉の展開期間中と成熟葉とで比較した.水ストレス下で展開した葉の細胞間隙CO_2濃度(Ci)に対する光合成速度(A)の反応(A/Ci)は, 完全展葉後にストレスを受けたものに比べて著しく抑制された.CO_2飽和光合成速度並びにCO_2固定効率(A/Ci曲線の初期勾配)は, 展開中にストレスを受けた遮光と無遮光葉で約80%, 70%減少したのに対し, 成熟後にストレスを受けた葉ではそぞれ約50%, 40%低下した.成熟葉に対する無遮光下のストレス区を除いて, 全てのストレス葉でリブロース-1,5-二リン酸カルボキシラーゼおよび可溶性タンパク含量が低下した.その低下割合は, 無遮光下よりも遮光下のストレス葉で大きかった.また, クロロフィル含量は水ストレスによって影響を受けなかった.A/Ci曲線による解析から, 無遮光下あるいは遮光下での水ストレスによる光合成速度の低下は, その85〜100%が気孔以外の律速要因によるものであった。このことから, 比較的長い期間の慢性的な水ストレス下にあるコーヒー葉の光合成は, 主に葉肉細胞のCO_2固定活性の低下によって減少するものと結論された.
日本熱帯農業学会の論文
1991-06-01

遮光および無遮光下で発育中並びに成熟したコーヒー葉の慢性的水ストレスに対する光合成反応

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