液晶マイクロレンズ不規則配列セルの光散乱効果

概要

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円形穴形パターン電極を有する液晶セルでは, セル内に生じる軸対称状の不均一電界中での分子配向効果によりレンズ特性(液晶マイクロレンズ)が得られる.液晶マイクロレンズは印加電圧レベルによって素通し, 凸レンズ, 凹レンズの間で特性を大幅に変化させることができる.また, 得られる焦点距離は非常に短く, セルを透過する光の散乱効果が生じるため, 多数の液晶マイクロレンズを配列することにより光散乱型の表示素子等への応用が期待される.しかし, 穴形パターンを規則正しく配列した場合には, 各パターンを透過した光の干渉効果により透過特性の劣化が生じた.そこで, 本研究では不規則な配列パターンを用いていろいろの直径, セル厚を有する液晶セルを作製し, それらの光散乱特性, 応答・回復特性等の測定を行った.不規則な配列パターンを用いた結果, 透明または半透明状態において液晶セルを通して観察した物体像が非常に鮮明となり, 液晶セルの透過特性に大幅な改善が見られた.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1993-01-20