シロウリガイ類飼育の試み
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概要
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シロウリガイ類は深海から採集すると通常2, 3日しか生存せず, 飼育を試みた報告は皆無であった。本研究では, シロウリガイ類の飼育の試みとして, 良好な健康状態で採集し, かつシロウリガイ類の共生細菌のエネルギー源(泥中の硫化水素)を確保するために, 圧力以外の現場環境をできる限り維持した状態で採集する装置のMTコアを開発した。また, シロウリガイ類は高酸素濃度に弱いため, 溶存酸素濃度制御装置により低酸素濃度環境を維持する飼育システムを製作した。シロウリガイとエンセイシロウリガイをそれぞれ相模湾初島沖水深1,150m〜1,160mの地点, 石垣島沖の黒島海丘の643mの地点で採集した。採集したシロウリガイは約1週間で死亡したが, 黒島海丘のエンセイシロウリガイは17日間生存した。また, エンセイシロウリガイでは2回放卵が確認された。以上のことから, エンセイシロウリガイは飼育が容易な種と考えられた。
- 日本海洋学会の論文
- 2005-11-05
著者
-
北田 貢
新江ノ島水族館
-
三宅 祐志
北里大学
-
大越 健嗣
石巻専修大学理工学部
-
大越 健嗣
石巻専修大・理工・生物生産工
-
土田 真二
JAMSTEC生態
-
三宅 裕志
新江ノ島水族館
-
植田 育男
新江ノ島水族館
-
三宅 裕志
北里大学
-
松山 和世
海洋研究開発機構 極限環境生物圏研究センター
-
山本 啓之
新江ノ島水族館
-
土田 真二
海洋研究開発機構(JAMSTEC)
-
喜多村 稔
海洋研究開発機構
-
松山 和世
海洋研究開発機構
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