ファジーニューラルネットワークによるデータ依存型フィルタの実現

概要

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加法雑音に劣化した画像信号復元には非線形フィルタが有効である。さらに、画像信号のように種々の性質が混在した信号の復元を考える場合、画像の位置ごとにフィルタ係数を可変させるデータ依存型フィルタ処理が復元精度向上のために要求される。データ依存型フィルタの性能は処理点近傍の入力信号から得る局所情報の正確さに左右される。よって、なるべく多くの観測量とそれらを用いた的確な判断によりフィルタ係数を決定することが必要である。筆者らは既に入力信号の複数の局所観測量からファジー推論によりフィルタ係数を決定する手続きを文献において提案し、さらにそのチューニング方法も明らかにしている。文献における問題点は平均2乗誤差規範でファジールールを最適化することができるものの、各ルールごとに独立にチューニングが施されるため、チューニング終了時には複数のルールに共有するファジー集合に対して複数個のメンバーシップ関数が定義されてしまう点である。そこで、本論文ではファジー推論の原点にもどり、ファジー推論を直接ネットワーク化して得られる、ファジー・ニューラルネットワークを誤差逆伝搬の考え方でチューニングし、ルールの最適化を図ることにする。このことによる、チューニングはファジー集合ごとに行われ、チューニング前後においてメンバーシップ関数の数は不変である。なお、文献ではメンバーシップ関数の形状を2等辺三角形に限定していたが、本稿ではその形状を一般的な三角形に拡張した点も新しい点である。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05

ファジーニューラルネットワークによるデータ依存型フィルタの実現

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