オホーツク海表層における物理場の季節変動に関する数値実験
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概要
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オホーツク海表層における物理場の季節変動を,海洋と海氷とを結合させた数値モデルを使って研究した。モデルの再現性を検証するために海氷の漂流速度,海水流動,水温,塩分に関して観測資料との比較を行なった結果,本モデルによって良好に物理場の季節変動が再現された。また,サハリン沿岸域の南下流に関しては,主として北寄りの季節風に伴うエクマン収束に起因する地衡流として説明できることを示した。その海流の強弱の変動様式には,サハリン北部と南部(Terpenia湾付近)とでは違いがあることが明らかになり,その理由の一つとしてサハリン沿岸部における風系の南北差が考えられることを示唆した。さらに,オホーツク海表層低塩分水の消長に関して計算結果に基づき考察を行なった。まず,表層低塩分水に関して,生成・移動・消滅のプロセスを連続的に再現することができた。海氷の融解量分布とアムール川による流出量とを比較することによって低塩分水の源を解析した結果,表層低塩分水は北からシベリア沿岸部の融解水,アムール川の流出水,サハリン沿岸部の融解水の三つが構成要素となって生成されることをが明らかになった。
- 日本海洋学会の論文
- 2004-01-05
著者
-
多部田 茂
東京大学大学院新領域創成科学研究科
-
西 佳樹
東京大学大学院新領域創成科学研究科
-
多部田 茂
東京大学
-
藤野 正隆
東大
-
藤野 正隆
国立台湾大学工程科学及海洋工程学系
-
藤野 正隆
東京大学大学院新領域創成科学研究科
-
西 桂樹
東京大学大学院新領域創成科学研究科
-
多部田 茂
東大
-
多部田 茂
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
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