データの更新をバイト単位で管理するキャッシュメモリ

概要

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キャッシュメモリは, 平均メモリアクセス時間を短縮するだけではなく, バストラヒックを削減し, バスの利用待ち時間を短縮する働きももつ. 本論文では, バストラヒックを更に削減するために, データの更新をバイト単位で管理するライトバック型のキャッシュメモリ(DMC: Decoupled Modihied-bit Cache)を提案する. DMCにより, 更新されたデータのみを選択的にメモリに書き戻すことが可能になり, よりいっそうのバストラヒックの減少が期待できる. また, DMCの実装にあたって, ハードウェア量の増加を抑えるため, データの更新を示す状態ビットをキャッシュ本体から分離し, これを必要に応じて割り当てる方法を考案した. DMCの有効性を検証するために, いくつかの実用的なアプリケーションをベンチマークに用いた性能評価を行った. その結果, キャッシュメモリ全体の約3%程度に相当する記憶素子を状態ビットとして付加することで, メモリの操作回数とバスを通して伝送されるデータの総量が, 従来のライトバック型キャッシュに比べて, それぞれ, 35%とl0%程度減少することが確認された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-07-25