光磁気磁界変調記録における記録マークの解析

概要

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磁界変調方式を用いた光磁気記録媒体の記録マークと,その再生信号波形について検討を行った.磁界変調方式はオーバライトが可能である利点を生かし,新しいオーディオメディアシステム向けの小形光磁気ディスクに採用されている.本方式による光磁気記録マークは矢羽根形の形状をもっており,その横幅は記録時のレーザパワーの変動や周囲温度の変動によって変化しやすい.このため,記録媒体はこれらの変動に対して十分に安定した再生信号が得られるように設計する必要がある.我々は,記録マークの多角形近似による数値積分を用いて,再生信号波形をシミュレーションにより求めることを試みた.この手法により,媒体の記録密度に影響する再生信号の振幅およびクロストークレベルを求めた.その結果をもとに媒体の記録パワーマージンを算出し,実測値との比較を行った結果,良好に一致することが確認された.また,再生時のトラッキングオフセット量を調整することで,見かけ上の記録パワーマージンを向上させることができた.以上より,今回行った手法は高密度化が期待される将来の記録媒体の設計においても極めて有効であることが判明した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-12-25