2次微分性を有したウェーブレット変換領域におけるゼロ交差点対応付け

概要

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ウェーブレット変換を用いた多重解像度解析法として,マルチスケールウェーブレット変換(以下,MWTと略記)がある.特に2次微分性をもつMWTでは,変換信号のゼロ交差点の位置はもとの信号のエッジの位置に対応する.エッジは画像情報において主要な情報を担っているので,もしエッジに相当したゼロ交差点の走査線間やフレーム間での対応付けが何らかの方法によって得られるならば,この対応付けを,動き解析,ステレオマッチング,内挿,ノイズ低減等の各種の画像処理の高度化のために利用できる.そこで,本論文では,MWTのゼロ交差点の対応付けに関して,スケール間対応付けと,類似した二つの信号間の対応付けとについて検討し,視覚的にもっともらしい対応付け結果を与え得る手法を考案した.特に,信号間対付けに関しては,コスト関数を導入することによってゼロ交差点対応付けの正確さの向上を図った.また,動的計画法と,スケール間のゼロ交差区間の分岐構造を活用することで現実的な演算量とした.更に,クロスバリデーションの考え方を,画像の走査線間での信号間対応付けの問題に適用し,信号間対応付け手法の動作の良否を画像上で目視により視覚的に評価する方法を構成し,この評価法によって本信号間対応付けアルゴリズムの有用性とその問題点とを明らかにした.特に,信号間対応付け手法におけるコスト関数の多重因子の重み係数値を調整することで,視覚的にもっともらしい対応付け結果が得られることを示した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-08-25

2次微分性を有したウェーブレット変換領域におけるゼロ交差点対応付け

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