回路網分割を用いた区分線形近似回路における全解検索の効率化法
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概要
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最近の回路網の大規模化により,解析が要求される回路方程式の次元が大きくなり,その処理には膨大な時間がかかるようになってきた.しかも,回路網には非線形素子が多数含まれており,その解は一意ではなく,複数の解が存在する場合が多い.しかし,一般にはこのような回路の一個の解を求めることすら容易ではなく,すべての解を求めることは困難である.本論文では,このような問題を解決する手法として,区分線形近似で表現された非線形回路網の全解を高速に求めるアルゴリズムを提案する.本アルゴリズムでは,まず回路網を分割し,各部分回路を解析する.この解析では,各部分回路のすべての線形領域において分割点に他の部分回路から流れ込む電流とその節点電圧の関係を得る.このとき,各線形領域において,解の存在する可能性を調べる.次に,部分回路を順次連結し,大きな部分回路で同様の関係を得る.この連結操作は,解が存在する可能性のある線形領域のみを対象として計算を行うため,計算を高速に完了することが期待できる.この連結を繰り返せば,最終的に与えられた回路のすべての解を得ることが可能となる.また,部分回路は,回路網全体に比べて非常に少ない節点でなおかつ非常に少ない線形領域のみ存在するため,部分回路の解析も高速に実行できることが期待できる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-06-25
著者
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