離散数の重みをもつホップフィールド型ニューラルネットワークの重み決定法

概要

論文の詳細を見る
連想問題や,最適化問題を解くエンジンとしてホップフィールド型ニューラルネットワークが期待されている.ホップフィールド型ニューラルネットワークを用いて連想処理を行う場合,あらかじめ計算された重みをニューラルネットワークへ記憶する必要がある.しかし,ホップフィールド型ニューラルネットワークの重みは,ニューロンの数をmとすれば,m^2個必要である.このため,mが大きくなれば必要なメモリの量は膨大となる.この記憶には,アナログメモリを使う方法とディジタルメモリを使う方法があるが,アナログメモリには誤差や記憶の忘却という問題がある.そこで,ディジタル素子で記憶を行うことが必要となるが,この場合の記憶素子の数はm^2×(データビット数)となり,データビット数に比例してハードウェア量が多くなる.また,シナプスで行う乗算回路なども,ビット数の増加に伴って複雑になると考えられる.この問題を改善する一つの方法として,重みのデータビット数を減らすことが考えられる.例えば,この重みとして,2ビット程度のディジタル符号を用いれば,記憶を行うメモリは少量で済み,シナプスで行う乗算の計算も簡単に行うことができる.そこで,重要となるのが,重みのデータビット数を減らした場合の重みの決定法である.この場合,重みは連続数に近似することが難しいため,従来の重みの決定法とは違った効率の良い方法が求められる.本論文では,このような背景から,重みが少数の離散値しかもち得ない場合における重みの決定法について述べる.本方法は,重みがもつ評価関数を調べ,その評価関数を分岐限定法を応用したアルゴリズムによって最適にすることによって重みを得る.本方法によって得た重みを用いて,連想処理を行っても,高度な連想能力を得られることがシミュレーションによって示され,今後の応用が期待できる.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-25

離散数の重みをもつホップフィールド型ニューラルネットワークの重み決定法

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク