Stop & Wait ARQ 方策における再送要求回数の検定論的決定法
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概要
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データ伝送システムに高信頼度を実現する手段の一つに再送要求方策(ARQ方策)がある.これは,データ通信回線の瞬断・雑音・ひずみなどによって誤りが生じた場合に,データを何度か再送することによって正しく伝送できることに着目した方式である.しかし,回線に物理的障害が発生しており,データを正しく伝送できない場合には,再送を早急に中止し,回線の状態を調べたり,あるいは他の回線に切り換えるなどの措置を講ずることが必要である.このことは,再送要求回数の上限値をいくらに設定するかに大きく依存している.しかし,現状の再送要求回数の上限値は経験的に定められたものであり,その理論的根拠が希薄である.本研究では,最も基本的な再送要求方策の一つであるStop & Wait ARQ方策を取り上げ,再送要求回数の上限値nを決定するための一方法を提案する.ここでは,回線の状態として,通常の状態と物理的障害が発生しているという状態の2通りに対し,現在の回線がどちらの状態であるかを判断することを考える.その上で,統計的検定論的考え方に基づいて本方策実施に要する期待費用の定式化を行い,期待費用を最小にするという意味での最適なnの存在について解析する.また数値例を用いて本決定法の有効性についても検討する.
- 1993-03-25
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