アフィン演算における乗除算について

概要

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アフィン演算はStolfiら[5],[6]によって定義された区間演算の一種である.変数間の相関を表現できるため,通常の区間演算でよく起こる区間幅の爆発的な増大(over-estimation)を抑えるという利点をもつ.アフィン演算では非線形演算の像を(線形近似)+(誤差項)の形で見積もる,その見積りの優劣はアフィン演算の区間評価の性能に直結するので重要なポイントとなる.しかしながら[5],[6]で定為されたアフィン演算の乗法は常に最適な評価を得ることができるとは限らない.更にアフィン演算の除算においては[5],[6]で定義すらされておらず,現在は逆数をとる非線形単項演算と乗算の組合せで除算が行われていたが,この方法では最適な評価を得ることはできない.本論文ではアフィン演算における乗除算の新手法を提案する.乗算においては変数間の相関を考慮することで,また除算においては2項演算に対して直接線形近似を行うことで新手法を構築した.新手法と従来の手法との比較を行った結果,新手法の方が従来の手法より良好な評価を得ることができた.ゆえに結論として,アフィン演算の乗除算を行うときには本手法の利用をお薦めしたい.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-03-01