可逆符号化のための整数ウェーブレットにおける乗算器係数の感度解析

概要

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信号値が整数表現される整数ウェーブレツト変換は,可逆・非可逆統合符号化の一手法として近年注目されており,その乗算器係数値は実数として与えられることがある.この実数乗算を2のべき乗和で近似することで演算負荷の軽減が可能となり,リアルタイム・ソフトウェア・デコーダや機能メモリにおいて有効となると考えられる.そこで本報告では,近似誤差すなわち乗算器係数の短語長化誤差がウェーブレツト内部をどのように伝播するかを調べ,再生信号の劣化量を理論的に解析する.結果として,帯域信号の自己相関,相互相関,誤差変動の微小性が,再生信号における短語長化誤差の分散値にどのように影響するかが解明された.すなわち,自己相関係数の次数の変化による理論値と実験値の関係から,再生信号における誤差分散が帯域信号の自己相関に大きく依存していることが分かった.加えて,自己相関のみを考慮した理論値と,自己相関と相互相関を共に考慮した理論値の関係から,帯域信号の相互相関にはあまり依存していないことを示した.また,高次項まで含めた理論値と含めない理論値の関係から,乗算器によって高次項の影響が大きい場合と小さい場合があることを示した,
2003-01-09