画像の有色性を考慮したウェーブレット乗算器係数への語長配分法

概要

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リフティング構成によるウェーブレット変換は、フィルタ処理後にラウンディング処理を行うことにより帯域信号を整数値で表せる。そのため、可逆・非可逆統合符号化の一手法として注目されている。このリフティング構成されたウェーブレットの乗算器係数値は一般に実数値で与えられ、その値を出来るだけ短い2進数で近似表現することで、回路規模の縮小や演算負荷の軽減が可能となる。そこで本論文では、入力画像の有色性ならびに各係数ごとに短語長化の再生画像への影響が異なることに着目し、再生画像における短語長化誤差が最小となるように、各係数ごとに語長を配分する方法を提案する。具体的には、9/7フィルタを例として、近似誤差すなわち乗算器係数値の短語長化誤差がウェーブレット・フィルタバンクの内部をどのように伝播するかを調べ、再生信号の劣化量を理論的に解析する。そして、その解析結果を乗算器係数の最適語長配分に応用する。結果として、従来と同程度の目路規模のもとでは平均10[dB]程度のPSNRの改善が確認された。
長岡技術科学大学の論文
2003-02-13