導電性高分子を用いたアンモニアガスセンサ

概要

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酸性またはアルカリ性のガスへの曝露により、導電性高分子の抵抗は変化する。その要因は2つあり、1つはガス分子によるイオン伝導、もう1つは導電性高分子のドープ・脱ドープによるものである。本論文では、ポリアニリン(PAni)を櫛型電極上にキャストしたものをアンモニアガスに対するセンサとし、そのセンサ特性を評価した。Cl^-, SO_4^<2->、PO_4^<3->等のモノマーイオンをドーパントとしたものについては、濃度40ppmのアンモニアガスに対し、10倍程度まで電気抵抗が増大したが、その応答は不可逆的なものとなった。これは、ドーパントイオンとアンモニウムイオンが塩を形成したことによることがXPSにより確かめられた。そこで、ドーパントとしてPAA(poly(acrylic acid))、SPS(poly(sodium 4-stylenesulfonate))等のポリイオンを用いたところ、センサ応答は可逆的なものとなった。これは、ポリアニリンと電解質ポリマーがポリイオンコンプレックス(PIC)を形成したことにより、ポリアニリンとアンモニアガスによる塩の形成を抑えることができたためであると考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-08-15