米語母語話者を対象とした日本人英語の聞き取り調査

概要

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Native-sounding vs. intelligible.発音教育において掲げられてきた二つの異なる到達目標である。前者は後者の十分条件であり, 後者は前者の必要条件である。国際語としての英語発音を重視し, 語学学習を他者とのコミュニケーションツールの習得と考えた場合, 到達目標は自ずと後者となる。しかし「伝わる発音」は, それを聴く聴取者によってその定義が大きく異なる。学習対象言語を米語とし, 聴取者を米語母語話者とした場合でも「伝わる発音」の定義は容易ではない。「何をしたら伝わらなくなるのか」「何をしたら聴取者の心的辞書検索を妨げるのか」に対する知識が必要となるからである。「伝わる発音」を議論する際の大前提となるこれらの問いに答えるため, 日本人英語読み上げ音声データベース(ERJデータベース)の一部を, 日本人英語との接触量が少ないと自己申告した米語話者のみを対象に, 大規模な聞き取り(聞き誤り)調査を行なった。本報告では, 提示文・音声の選択, 聴取者の選択などの実験計画の詳細について述べ, また, 現在までに得られている聞き取り結果に対する考察を行なう。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-01-20