声道形状の特徴をタスクに用いる調音運動の軌道生成モデル

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概要

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個々の音素に固有な音声形状を形成することを調音運動の達成すべき課題とみなし、調音運動の軌道を生成するモデルについて検討した。たとえば、母音の場合には、母音の種類に応じた舌や両唇の絶対的な位置形状を運動タスクとして拘束する。一方、子音, g/のような閉鎖性の音に関しては、声道中の閉鎖を形成する調音器官の位置をタスクに用いる。また、調音系の多自由度性に起因した冗長性は、適当に設定したコスト関数の最小化によって解消し一意の軌道を決定する。このような冗長性は、実際の調音運動においては協調動作や先行性調音などの調音結合を生じる主要な要因であると考えられる。シミュレーションによって得られた軌道は磁気観測に基づく実軌道とよく一致し、平均誤差は1mm以下であることが示された。このことは、舌や唇の部分的な位置形状より顎を含めた調音系全体の軌道が精度良く再現されたことを示している。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-03-18

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