無声子音生成における調音器官と声門の運動タイミングの分析
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概要
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無声子音の生成においては、声道の閉鎖/せばめ運動と声門の開大運動とのタイミングが重要である。この運動タイミングを明らかにするため、磁気センサシステム(EMA)とフォトグロットグラフ(PGG)を用いて、日本語の無声破裂音・摩擦音における調音器官と声門の運動を観測した。観測データをもとに、調音運動により生成される声道のせげめと声門の開大の時間構造を分析した。この結果、摩擦音では破裂音より声道のせばめに対する声門開大の始点とピーク時点がともに早い傾向がみられた。また、摩擦音の生成では、声門開大の始点からピークに達するまでの時間長がほぼ一定である傾向がみられた。さらに、破裂音・摩擦音ともに声道のせばめを開放してから声帯振動が始まるまでの時間がほぼ一定である傾向がみられた。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-05-21
著者
-
新美 成二
国際医療福祉大学言語聴覚学科
-
新美 成二
東京大学大学院医学系研究科音声・言語医学教室
-
鏑木 時彦
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
藤野 昭典
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
誉田 雅彰
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
村野 恵美
東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教室
-
鏑木 時彦
九州芸術工科大学芸術工学部音響設計学科
-
誉田 雅彰
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
新美 成二
東京大学大学院医学系研究所 脳神経医学専攻 認知・言語医学講座 音声・言語医学専攻分野
-
誉田 雅彰
Nttコミュニケーション科学基礎研究所:crest Jst
-
藤野 昭典
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
村野 恵美
東京大学耳鼻咽喉科
-
村野 恵美
東京大学大学院医学系研究科
-
村野 恵美
ATR-HIS国際電気通信基礎技術研究所
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