声帯-仮声帯振動の喉頭音源モデルによる喉歌合成

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概要

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筆者等は先に、トゥバのフーメイ、モンゴルのフーミーなどアルタイ山脈周辺部の民族に伝承される喉歌の歌唱時の喉頭調節をEGGと高速度ディジタル撮影法で観察し、報告した。本稿では同音声資料について逆フィルタ法による喉歌の喉頭音源の推定を試みた。その結果と先の生理的観測結果から、喉詰発生では声帯と仮声帯の振動はほぼ逆位相になっていること、カルグラー発声では声帯が推定音源体積流の1周期に2回振動し、そのうち1回は声門閉鎖が不完全であることが推測された。そこで、声帯の2質量モデルを拡張した声帯-仮声帯自励振動モデル(4質量モデル)を作成した。このモデルにより、仮声帯を狭めた時に声帯と仮声帯が、推測された振動パタンで振動する可能性が高いことを確認した。本稿では、さらに声帯と仮声帯の振動パタンを考慮した喉頭音源信号モデルを提案し、喉歌合成を試みた。その結果、従来の喉頭音源モデルを用いた場合に較べ、実際の喉歌音に近い聴覚印象が得られた。
一般社団法人情報処理学会の論文
2001-02-22

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