加齢に伴う音声の変化 : 音響学的手法を用いた解析
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概要
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健常成人発話者262例(青年群200例,老年群62例)を対象として,青年期以降の加齢に伴う音声の変化について音響学的に解析し,主に以下の結果を得た.男性では,基本周波数に関する計測ではT0が短くなりF0が上昇し,周期のゆらぎに関する計測ではJitt,RAP,PPQで上昇し,振幅のゆらぎに関する計測では,ShimとAPQを含めて全体的に上昇し,雑音に関する計測ではSPIで上昇し,震えに関する計測ではATRIで上昇する傾向を呈した.女性では,基本周波数に関する計測ではT0が延長しF0が低下し,周期と振幅のゆらぎに関する計測ではほぼ変動が乏しく,雑音に関する計測ではNHRで上昇しVTIで低下し,震えに関する計測ではATRIで上昇する傾向を呈した.今回得られた知見ならびに正常範囲に関するデータは,加齢による生理的変化の範囲内の音声と病的音声との識別上臨床的に意義のあるものと思われる.
- 2009-01-20
著者
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西尾 正輝
新潟医療福祉大学言語聴覚学科
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田中 康博
新潟医療福祉大学大学院
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新美 成二
国際医療福祉大学言語聴覚学科
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新美 成二
国際医療福祉大
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田中 康博
大阪府立急性期・総合医療センター外科
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田中 康博
新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
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西尾 正輝
新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科
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田中 康博
広島大学大学院:(現)新日本製鐵(株)
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