4階層共有構造の音素HMM

概要

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音素環境モデルは,膨大な数のモデルパラメータを,限られた学習データで推定しなければならないという問題がある.音響モデルを効率良く表現するためには,同じ特性のパラメータは共有化すべきである.本報告では,4階層の音素モデルを提案する.4階層とは,1)モデル(allophone環境)レベル,2)状態レベル,3)分布レベル,4)特徴パラメータレベルである.最初の3階層については,すでにいくつかの手法が提案されているが,4階層目の特徴パラメータの共有化は,本報告で初めて提案するものである.実験の結果,多次元混合分布型HMMに含まれる1600個の正規分布の平均値ベクトルを,各次元につき,わずか16個の代表的な平均値の組み合わせで表現できることがわかった.特徴パラメータレベルの共有化は,認識率をほとんど劣化させることなく,認識時に必要な計算量を削減できることがわかった.また,モデルの学習,特に話者適応において特徴パラメータレベルの共有化が有効であることもわかった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-12-16