コンパイラ主導型マルチプロセッサシステムASCAにおけるソフトウェア制御キャッシュシステムの実装

概要

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我々は、マルチグレイン並列処理を考慮したマルチプロセッサASCAを提案している。近細粒度並列処理においては、同期を伴うサイズの小さいデータ転送が頻繁に行われるため、通信オーバヘッドによるパフォーマンスの低下が問題となる。これに対して、並列処理対象のブロックは動的決定性がないため、コンパイラによる静的解析を利用することによって、通信オーバヘッドを低減させることができる。しかしながら、これを行う場合において、キャッシュのヒット/ミスが不確定要素となり静的解析にとっての障壁となる。この問題を解決するため我々はソフトウェア制御キャッシュシステムを提案している。このソフトウェアキャッシュシステムな、特別なケースを除いて常にキャッシュがヒットするようにコンパイラの静的解析に基づきデータのロード、ストアを行い、ヒットキャッシュアクセス速度自体も高速化することが可能で、かつキャッシュの利用も最適化できる。我々はこのソフトウェアキャッシュシステムを実装し、評価した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-05-11