3D VR空間認識における脳内情報処理機構 : 両眼立体視刺激に対する事象関連電位による検討
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概要
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人間の立体視における重要な手がかりの1つは両眼視差である. 神経生理学等の研究により立体視に関わる最初の視差検出は主にV1, V2ニューロンで処理されると言われている. しかしながら, 刺激を受けて後どのようなプロセスで立体視処理が行われるのか, 特に処理の時間的推移がいかなるものかを明確にした研究は少ない. 我々は, random-dot stereogram(以下RDS)を刺激とし, 課題遂行に伴う事象関連電位(以下ERP)を計測し, このERPに含まれるいくつかの成分に対する潜時の特性を考察した. 特に, 両眼視差を有するRDSに対するERPに等価電流双極子推定法を適用することで立体視に関わる脳内高次処理部位及びその時間的推移を探った. P300は内因性電位とされているが, 立体視に関する認知・識別はこれよりも大きな潜時を持つのではないかとの仮説の下に検証した結果, 300ms以降のピーク電位で双極子推定法により頭頂部付近に活動が認められた. 一方300ms以前の潜時250ms付近でのピーク電位も検出され, MT野の部位に反応が観測された. 今回の結果は, 立体刺激に対する外因性の処理がMT野において行われることを確認し, その後さらに内因性の高次処理として頭頂付近が深く関わっていることを示唆している. この現象はgrand averageにおいても確認できた. 特に300ms以降においては頭頂部に鮮明な反応を認めることができた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-06-15
著者
-
山崎 敏正
NEC基礎研究所
-
斎藤 正明
北海学園大学工学部
-
山崎 敏正
九州工業大学生命情報工学科
-
山ノ井 高洋
北海学園大学工学部電子情報工学科
-
大西 真一
北海学園大学工学部電子情報工学科
-
山ノ井 高洋
北海学園大学工学部
-
山ノ井 高洋
北海学園大学
-
山ノ井 高洋
北海学園大 工
-
大西 真一
北海学園大 工
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