装置からの電磁波放射を対象とした電波ホログラムによる波源の可視化

概要

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受信アンテナを平面で走査する電波ホログラム観測によって波源を可視化する方法について論じている. 本論文における手法は, フレネル近似やフランホーファ近似を用いないので測定面と観測対象との距離に制限がない. また, 観測対象を分割することにより, ホログラム測定面より観測対象が大きい場合にも適用できる. 更に, 分割されたそれぞれの面に対して2次元の高速フーリエ変換を導入することにより, 数値積分の高速化を図っている. また, 再生像強度の精度を上げるために受信アンテナの指向性を考慮している. 更に, 実際の装置からの漏れ電磁波の観測のために, 多少の観測周波数の変動を許容するホログラム観測装置を提案している. この観測装置を用いてダイポールアンテナからの放射を観測した結果と計算機シミュレーションの結果から, 従来の方法に比べて分解能が向上し, 広い可視化範囲が得られることがわかった. 最後に応用例として, 金属製キャビネットからの漏れ電磁波の様子を200cm離れた57cm×57cmの面上での観測により, 285cm×285cmの範囲で可視化した結果についても述べている.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-25