電離圏全電子数観測における最適基準高度の決定について
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概要
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衛星のビーコン電波を利用した電離圏全電子数(TEC)の測定に適用する差分ドップラー法では, 未知の積分定数を推定しなければTECそのものを評価することができない. 二点同時観測により推定されるこの積分定数は実際上仮定する基準高度に依存するにもかかわらず, その確からしい基準高度の決め方は未だ知られていない. 本研究ではまず, 国内の4地上局において同時観測されたNNSS衛星からの差分ドップラー周波数のデータセットに対し各局をペアとする6通りの組み合せについて二点観測法を適用し, 基準高度に対するペアとなる2つの地上局でのTECの鉛直補正値に関する相互の差の自乗和をデータ数で割った量の平方根 (便宜上, 合成差とよぶ) の変化を調べたところ, 最初減少し極小値をとった後増加する組み合せや, もっと複雑な変化を示す組み合せのあることがわかった. 本論文では, 基本的に緯度の近いペア局について最初減少し極小値をとった後増加する組み合せのTECの合成差が極小値をとる基準高度をひとまず選ぴ, 南北に長い本邦上空についてはこのようにして局所的に複数個決めた基準高度を用いるデータセットに最小自乗法を連用し, その緯度依存性を推定し, これに従う基準高度をあらためて最道基準高度としてTECを算出すれぱよいことを提案している.
- 1997-11-20
著者
-
丸山 隆
郵政省通信総合研究所
-
奥澤 隆志
電気通信大学電気通信学部電子工学科
-
奥澤 隆志
電気通信大学
-
森岡 昭
東北大学理学部
-
太田 善久
電気通信大学
-
丸山 隆
通信総合研究所
-
大高 一弘
通信総合研究所
-
加藤 浩文
北海道情報技術研究所
-
森岡 昭
東北大学大学院理学研究科 惑星プラズマ・大気研究センター
-
大高 一弘
通信総合研
-
丸山 隆
通信総合研
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