多重運動情報の脳内表現モデル(<テーマセッション>認知現象の分析とモデル化(その2))

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概要

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近年,脳の多価情報符号化に関わる知覚現象として,運動透明視の研究が数多く行われている.現在広く信じられているモデルは,脳は局所的には一価の運動情報しか表現できず,一価のオプティカルフロー場上に異なる運動情報がモザイク状に表現されるよって,多重運動が知覚されるとするものである.このモデルは,LPD刺激を用いた心理学的知見に基づいている.本研究では,運動情報検出の生理学的に妥当な神経回路モデルを構築し,多重運動がどのように符号化されるかをボトムアッブ的に解析する.提案モデルは,局所的にも多価の運動情報を表現したまま,LPD刺激の知覚を説明することができる.このことは,LPD刺激の知見が,局所的に一価の運動情報しか表現できないことの証拠にはならないことを示唆する.さらに,提案モデルが脳のモデルになっていることの傍証となり得る,心理物理学的な予備実験の結果も示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-01-27

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