反応拡散方程式を用いた動きによる図地分離 : 形成されたパターンの界面と主観的輪郭
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ランダムテクスチャを背景とし, その上を背景と異なる動きベクトルをもつランダムテクスチャの領域が移動する動画を作成して再生すると, その領域が背景から浮かび上がって分離されて見える.動きを止めるとその領域は背景と見分けがつかなくなり分離が不可能になる.この現象を動きによる図地分離と呼ぶ.ここで, 移動領域の形を正方形にして, 動画の再生速度を変えて観察すると, 再生速度が十分に速い場合は正方形の領域がはっきりと分離されて見えるが, 再生速度を遅くしていくにつれて正方形の角が丸くなって認識されるようになる.一方, ある種の反応拡張方程式で形成されるパターンを真上から観察すると, そのエッジは方程式の時間発展につれて平滑化によって円形に近づいていく.これが, 上記の人間によって認識される正方形領域の変形を説明するモデルになるのではないかと考える.そこで, 反応拡張方程式を用いて, ランダムテクスチャの動画から図地分離のパターンを形成し, その界面が人間によって認識される輪郭, すなわち主観的輪郭と定性的に合致することを確認し, このモデルの有用性を主張する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-12-15
著者
-
湯浅 秀男
名古屋大学大学院工学研究科
-
伊藤 正美
理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センター
-
伊藤 正美
理研・BMC研究センター
-
細江 繁幸
名古屋大学大学院 工学研究科
-
細江 繁幸
名古屋大学
-
上山 英三
理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センター
-
伊東 正美
理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センター
-
湯浅 秀男
名古屋大学 工学部
関連論文
- 環境の変化に適応する四足歩行ロボットシステム
- 歩行運動におけるリズムの生成とその適応モデル
- 冗長系逆運動学マップ計算の並列分散アーキテクチャ
- リズム運動の環境適応に関する数理的モデルについて
- 作業環境との相互作用のもとでの生体運動解析 : クランク回転作業における環境適応
- 下肢の関節可動障害に関する幾何学的評価法
- 二関節筋の影響を考慮した関節可動域の幾何学的表記
- 多脚歩行ロボットの消費エネルギーに基づいた創発的歩容生成
- 多脚歩行ロボットの消費エネルギーに基づいた歩容生成
- 均質モジュールから成る自律分散型多脚歩行ロボットシステム -機能とアルゴリズム-
- 自律分散システムを用いた多脚歩行ロボットに必要となる機能とそのアルゴリズム
- 冗長系逆運動学マップ計算の並列分散アーキテクチャ
- カルマンフィルタによる真直度誤差曲線の推定
- 周期的摂動に適応する四足歩行ロボットシステムの研究開発
- 幾何学的環境拘束における生体運動の解析
- リズム運動における環境適応について : その数理的考察
- 「巧みな運動制御」の機械による実現をめざして
- 接触作業を行う多自由度ロボットの制御系のロバスト性について
- コンプライアントマニピュレ-ションにおけるロボットの動的作業環境に対する適応について
- コンプライアントマニピュレ-ションのためのロボットの制御設計
- 28a-P-11 粘菌変形体の反応拡散移流モデルにおける非線型分散関係
- 粘菌変形体におけるネットワーク形態に関連した収縮リズムのパターン形成
- 粘菌変形体における収縮リズムのパターン形成モデル
- 27p-Q-4 粘菌変形体収縮運動の時空パターン形成における原形質流動の効果III
- 30p-YB-4 粘菌変形体収縮運動の時空パターン形成における原形質流動の効果II
- 粘菌変形体の収縮リズムにおける反応拡散移流モデル
- 粘菌における収縮リズムのパターン形成モデルII : 反応拡散移流モデルの構成と解析
- 粘菌の収縮リズムのパターン形成モデルI : 非局所結合写像モデルの構成と解析
- 結合振動子系の自己組織化としてみたアメーバ様細胞の行動
- ヒトの筋の粘弾性変化(3部 運動の調整)
- 等速度運動中の筋粘弾性の調節
- 位相差制御による超音波モ-タのコンプライアント動作
- 機械インピ-ダンスを自由に調節できる装置--慣性能率可変装置
- 機械インピ-ダンスを自由に調節できる装置
- 発振器の協調による四足歩行パターン発生器モデルの挙動 : 一本の脚が別の速度でドライブされる場合
- セルフセンシング・アクチュエータ機能を利用したソフトハンドリング・グリッパの把握力検出と制御
- フィ-ドバックシステムの平衡実現による低次元化
- 視覚処理階層間の相互作用で実現される動きによる図地分離
- 反応拡散方程式を用いた動きによる図地分離 : 形成されたパターンの界面と主観的輪郭
- 動画像の地と図の分離における反応拡散方程式の時空間特性の考察
- 群ロボットに関する相転移
- 集中から分散へ 自律分散システム制御
- 自律分散システムの適応理論
- 自律分散システムにおける適応について
- 四脚動物の歩行パターン遷移モデル
- ユネルギー消費量による四足歩行パターン遷移の発振器-力学モデル
- 四足歩行のパターン遷移とエネルギー消費量の関係
- 発振器の協調による運動パターンの発生
- 反応拡散方程式を用いた自己想起型連想記憶による画像認識
- FDPS法 (Fractal Decomposition of Power Spectrum) による心拍数変動のスペクトル解析
- 筋電図および筋音図のフラクタル解析
- 心拍数変動のスペクトル解析とその応用
- オブザーバとFFTを併用した2慣性共振系のパラメータ同定法
- クーロン摩擦が作用する機械運動系のパラメータ同定法
- 自己組織化マップを用いた複数ロボット環境下での行動学習
- 学習による自律移動ロボット群の協調動作獲得
- 真直形状計測におけるカルマンフィルタの応用(短報)
- 現代制御論と脳 (脳のモデル)
- 名古屋大学 工学部 情報工学科 伊藤・細江研究室
- グラフ上の反応拡散方程式と自律分散システム
- パターン分類問題に対するニューラル・ネットワークのモジュール化 : 3. 大規模並列学習
- 自律分散型多脚歩行ロボットの学習による歩容の生成
- パターン分類問題に対するニューラル・ネットワークのモジュール化 : 2.大規模な問題の分割と並列学習
- 機械共振系の振動抑制制御における極配置法とPID制御
- 多脚歩行ロボットにおける自律分散学習
- 内的観測システムと反応・拡散方程式
- ギンヅブルグ・ランダウ方程式を用いた動画像の地と図の分離(第2報)
- パターン認識問題に対する可塑性モジュール神経回路アーキテクチャ
- 2突極2ハーモニックリラクタンスモータの最適同期リアクタンス
- パターン分類問題に対するニューラル・ネットワークのモジュール化 : 1.クラスに基づいた問題の分割とモジュールの統合
- 外乱推定成分の直交関係を利用したイナーシャ同定法
- 外乱推定に基づいたサーボ系の慣性項推定法とオートチューニング
- 外乱オブザーバを利用した非線形摩擦のトルクバイアス補償法
- 行列補間問題のBlock-Reductionによる解法
- ロボット・ア-ムの滑り状態制御 (ロボットア-ムの制御)
- エネルギー効率を考慮した脚式移動ロボットの歩行パターン生成
- 2突極2ハーモニックリラクタンスモータの諸特性
- 局所競合・協調ネットを導入した決定論的手法による不連続の検出と画像の復元
- 局所的クラスタリングを用いたギンヅブルグ・ランダウ方程式による動画像の地と図の分離
- 分散波動特性を用いた自律分散型画像認識システム
- 自律分散型両眼立体視システム
- 多関節形ロボットの空間曲面ならい制御の一手法
- 直列結合系とフィ-ドバック結合系のMullis-Roberts近似
- 式誤差法によるInterconnected Systemの構造を保持した次数低減化問題
- 制御学習における知識と推論
- 学習制御と知識
- 制御における熟練の獲得と知識表現--多リンク系への応用
- 自律分散システム研究の課題と将来
- システム制御における「自律分散」
- 自律分散システム
- 2次元最小2乗逐次3点法による平面形状誤差の測定
- システム制御の新しい展開--自律分散制御
- 「自律分散システム」研究の動向と課題
- 分岐現象を用いた多様なパタ-ンを生成する自律分散システム
- 自律分散システムの協調と大域的秩序形成 (自律分散システム) -- (自律分散システムの現状と課題)
- 自律分散システムはいかにして構成されるか (自律分散システム)
- 関節空間における障害物回避パス探索の一方法
- 自律分散システムの構造理論
- 自律分散システムとその歩行パタ-ン発生器への応用
- シナジェティックスと自律分散制御 (シナジエティックス)