多入力DC-DCコンバータの制御特性について

概要

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太陽電池あるいは燃料電池などのクリーンなエネルギーを利用する電源装置においては電圧レベルおよび電力容量の異なる複数個の入力電源を結合し,それらから適切な大きさの電力を取り出し,同時に出力電圧を安定化することが重要である。先に,このような電源を実現するために多入力DC-DCコンバータが提案されている。本論文では,この多入力DC-DCコンバータの入力電源を制御ためのタイプAとタイプBの2つの方式を提案し,理論的,実験的にそれらの比較検討を行う。タイプAでは1つのスイッチのオン時間は入力電源の情報で決められ,他の1つのスイッチのオン時間は入力電流と出力電圧の両方の情報により制御される。しかし,タイプBでは他の1つのスイッチのオン時間は出力電圧の情報により決定される。その結果,タイプAの方が出力電圧の定常偏差が小さい直流電圧利得で抑制できるため,静特性および動特性の面から優れていることが分かった。しかし,タイプAではリアクトルの巻数比で規格化された入力電圧の比Gが小さい場合には不安定現象が現れ易いため,Gを大きく選ぶ必要がある。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-11-18