複合回路方式電圧共振形インバータの力率・歪率の改善について

概要

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蛍光ランプには小形・軽量,高効率で,しかも発光効率が高い高周波点灯方式の電子安定器が広く用いられている。先に著者らは,電子安定器として複合回路方式の電圧共振形インバータを提案し,簡単な回路構成で高力率,低歪率が実現できることを示した。しかし,この回路ではスイッチ素子の両端に比較的大きな電圧ピークが生じることがある。そこで,この電圧ピークを低減するようにリアクトルのインダクタンスおよび共振回路の特性インピーダンスを小さい値に選べば,力率および歪率が悪下する。本論文では,スイッチ素子の電圧ストレスを抑制すると共に,力率および歪率を改善する方式を提案する。まず,回路構成および動作モードについて述べ,次に入力電流波形改善のための回路を付加する新しい方式について検討する。その結果,提案した方式によればスイッチ素子の電圧ストレスが十分に抑制できるだけでなく,99%の高い力率と11%の低い入力電流歪率が実現できることが明らかになった。これは,国際電気標準会議IEC規格のクラスCを満足している。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-05-26