エミッションCT画像再構成のためのブロックこう配法(次世代医用画像技術論文特集)

概要

論文の詳細を見る
投影データを複数のサブセットに分割して解の更新を行うOS-EM (Ordered Subsets Expectation Maximization)法やART(Algebraic Reconstruction Technique)法などのブロック反復法は, SIRT(Simultaneous Iterative Reconstruction Technique)法やEM(Expectation Maximization)法などの同時反復法と比較して高速に収束することが知られている.このため, エミッションCTの画像再構成法として精力的に研究が行われている.しかし, 従来のブロック反復法では, (1)雑音を含む矛盾のある投影データに適用したとき評価関数を最小にする真の解とは異なるリミットサイクルと呼ばれる周期解に収束する, (2)画像の平滑化を行うペナルティ関数を含む一般の評価関数への拡張が困難である, などの問題点がある.本論文では, これらの問題点を解決するため「評価関数の降下方向に解の更新を行うこう配法のブロック化」という比較的簡単な考え方に基づく新しいブロック反復法を提案する.このブロックこう配法はペナルティ関数を含む任意の凹評価関数に適用可能で, 反復が進むにつれてステップサイズをある規則に従って零に近づけることにより評価関数を最小にする真の解に収束する.
2000-01-25