CPSY2000-42 高性能組み込み用プロセッサアーキテクチャの検討

概要

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本稿では、プロトコル処理をI/O装置側において行う高機能ネットワークインタフェースカードの試作経験を通して認識した既存組み込みプロセッサの問題点について議論し、それらを解決するための方法を提案する。まず、DMAによって各種機構がデータ移動を行う高性能I/O装置において、I/O装置内のDMA転送の対象領域を効率良くアクセス可能にするキャッシュ制御命令を提案する。提案した命令はキャッシュコンシステンシ機構の実装と比べて大幅に低いコストでプロセッサ内に実装可能である。次に、安価なインターロックバスを持ったプロセッサにおいても有効に機能し、メモリアクセスコストの変動に強いレイテンシ隠蔽機構「elastic prefetch」を提案する。最後に、ホストコンピュータの拡張バスに接続されたI/O装置に対して、ホストコンピュータの保護と仮想化を保ちつつ直接ユーザレベルでアクセス可能にするMemory-based Virtual Interface(MVI)方式を提案する。MVI方式を用いれば、既存オペレーティングシステムの制御下においてでも、I/O装置側がアクセスしたユーザタスクを低ハードウェアコストで識別可能である。
2000-07-26