バフンウニの苦味成分に関する研究(平成13年度日本水産学会賞奨励賞受賞)
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概要
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バフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)は,日本沿岸に広く分布し,主に福井県以南の日本海沿岸および九州地方で漁獲されている。美味なウニの一種とされ,すでに食用部分である生殖巣の呈味成分組成について明らかにされている。一方,東北地方では,バフンウニはほとんど漁獲対象とされていない。その主な理由は生殖巣にしばしば強い苦味を有するためとされている。本研究では,福島県いわき地方に生息する個体を対象とし,苦味の発現頻度を調べた結果,苦味が成熟した卵巣に特有なものであることに着目し,卵巣から新規含硫アミノ酸pulcherrimine [4S-(2'-carboxy-2'S-hydroxy-ethylthio)-2R-piperidinecarboxylic acid]を単離・構造決定した。さらに,pulcherrimine (Pul)の分析方法を開発し,生殖巣中の含量とその季節変化,さらにPulの味覚生理学的特性について検討した。本稿ではこれらの成果について概説する。
- 公益社団法人日本水産学会の論文
- 2002-07-15
著者
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