73. binucleationおよびpolyploidizationにみられる有糸分裂像
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概要
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2核細胞およびpolyploid cellの出現のメカニズムに対し「DNAの2重鎖間にcross-linkの障害を有する細胞がDNA合成をした後, cross-linkの部位で核の分裂を障害された結果, 細胞質分裂を欠損し, 2核細胞, polyploid cellになる」という仮説を既に報告した。しかし, この仮説から予測される様なcross-linkのため分裂期にDNAの分離が不可能となり, 核の分裂が障害されている有糸分裂像をとらえた報告はない。今回は, この不完全な有糸分裂像を観察するために, ラット肝細胞を用いて, アクリフラビン-Feulgen核染色を行なった。この染色での蛍光観察は, 従来のH・E染色等に比べて, DNAに特異的である点および極く微量のDNAをも顕微鏡の解像力をこえて暗視野で蛍光として認識し得る点で特にすぐれている。この方法によって, telophaseで両極に分離した染色体の間にDNAの架橋が存在する所見, あるいは2核細胞の完全に分離してみえる2つの核の間にDNAの架橋が存在する所見等が観察された。これらの所見は, cross-linkのためDNAが分離出来ずに核の分裂障害が1次的におこり, 2次的に細胞質分裂が欠損するという私達の仮説を支持する。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
-
中西 和夫
福井医大第1病理
-
中西 和夫
京都府立医科大学第二病理
-
福田 優
福井医科学・第一病理学
-
福田 優
京都府立医大第二病理
-
藤田 晢也
京都府立医大第二病理
-
藤田 晢也
京府医大・2病理
-
藤田 晢也
京都パストゥール研
-
中西 和夫
京都府立医科大学第2病理
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