17. 定量的組織化学による最も幼若な赤芽球の同定とその形態学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
骨随塗抹標本上で, 個々の赤芽球のHb量を測定するために, Hbをポルフィリンにかえ, また, 核DNA量はフォイルゲン染色後のフォイルゲン蛍光量として, 蛍光顕微測定装置で測定すると, 正常マウスの赤芽球は個々の細胞内のHb量と核DNA量との2つの客観的なパラメーターにより, 成熟度の異なる7つのグループに分けられる。この中で, 最もHb量の少ないグループの細胞(EI細胞)は, 自己複製の性質をもつ幼若な赤芽球系細胞を含むと考えられる。今回は, 組織化学的に同定されたこの細胞種について, その特徴を報告する。ライトギムザ染色上で, GI期のEI細胞は, リンパ芽球様で, その大きさは16〜18μ, 核/細胞質比は大きく, 細胞質は好塩基性で顆粒をもたない。その核はまるく, 核網工は細かく, 1〜2コの核小体を有する。又, GII期のEI細胞は, 前赤芽球に非常に近い形態を示し, 大きさは20μで, 細胞質は好塩基性で顆粒がない。核網工はGI期のものに比べて粗であり, はっきりとした核小体が見られる。この様に, EI細胞の形態は, その細胞周期の各時期により少しづつ異なっている。正常マウスの骨髄でのEI細胞のGI, S, GII期の比率は, それぞれ14%, 38%, 50%であった。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
福田 優
福井医科学・第一病理学
-
福田 優
京府医大・病理
-
藤田 晢也
京府医大・2病理
-
丸尾 直幸
福井医科学・第一病理学
-
丸尾 直幸
京府医大・第一内科学教室
-
伊勢村 卓司
京府医大・第二病理学教室
-
伊勢村 卓司
京都府立医大第二内科
-
藤田 晢也
京都パストゥール研
関連論文
- I-A-16 Feulgen加水分解の動態解析
- 神経芽腫腫瘍細胞の核 DNA 量 : 無治療時期の動態
- 消化管粘膜の細胞動態 (消化性潰瘍)
- 胃粘膜の細胞動態 (胃)
- 中枢神経系の初期発生-1-神経管形成と神経発生の第1期(カラ-アトラス)
- 中枢神経系の初期発生-2-神経発生の第2期(カラ-アトラス)
- 中枢神経--ヒト言語中枢の発生(走査型電子顕微鏡シリ-ズ-1-臓器-11-)
- S-4 4. 顕微蛍光測光法
- IIB-O61 共焦点レーザ走査顕微鏡による心ループ形成の観察 : 筋原線維とフィブロネクチンの立体的関係
- WII-1 レーザ顕微鏡による機能組織化学 (共焦点走査型蛍光顕微鏡)
- I-C-O-47 虚血・再灌流障害による毛細胆管の"静脈瘤様変化"の観察
- I-C-O-46 肥満細胞脱顆粒におけるカルシウム・シグナリングの高速走査共焦点レーザ顕微鏡による解析
- I-C-O-39 共焦点レーザ走査顕微鏡による鶏胚心の筋原線維形成のin situ観察 (VIII) : N-カドヘリンの発現について
- W-4 共焦点レーザ走査顕微鏡の機能組織細胞化学への応用
- Living cell三次元観察への応用 : 細胞内カルシウム濃度測定を中心に (共焦点レーザー顕微鏡と画面処理(Computor Imaging))
- P-60 セントロメアの核内分布の共焦点レーザ走査顕微鏡による観察
- P-50 心筋対細胞間を伝播するカルシウムイオン動態の高速走査共焦点レーザ顕微鏡による解析
- P-12 ラット虚血肝組織の三次元的観察 : 共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて
- O-66 共焦点レーザ走査顕微鏡によるカルシウムイオン動態の3次元解析
- レーザ顕微鏡の原理, 技術と医学生物学への応用 (レーザー顕微鏡)
- 癌細胞の発生とプログレッション
- IID-19 二重標識法によるイヌ胃の粘膜内印環細胞癌と正常腺管のS期時間の比較
- J-S7-3 Laser Microtomography について
- J-S4-8 心筋細胞にみられるCa^-WAVEの解析
- 教育講演1 胃癌進展の病理学(第32回日本消化器外科学会総会)
- I-63 ヒト心筋における組織学的変化の定量的解析
- I-22 レクチンを用いたヒト胃印環細胞癌の核DNA定量 (II)
- SI-3 アイソトープ標識プローブを用いたin situ hybridizationによるmRNAの検出
- P70 脳損傷修復におけるGFAPの遺伝子発現 : hybridization histochemistryによる研究
- P69 遺伝子発現からみたグリア細胞の発生 : GFAP-mRNA・cDNAハイブリダイゼーションによる研究
- I-67 顕微蛍光測光法による蝸牛構成細胞の核DNA定量(第4報) : ヒト蝸牛における多倍体化現象の意義
- II-C-36 顕微蛍光測光法による蝸牛構成細胞の核DNA定量(第3報) : 連続切片法を用いたヒト蝸牛での定量
- I-A-17 顕微蛍光測定法によるヒト角膜内皮細胞の核DNAの定量
- II-C-19 局所経動脈的標識法と顕微蛍光測光法による犬胃粘膜細胞DNA合成の研究
- II-B-13 微小病変部における細胞核DNA量の定量 : 顕微蛍光測光法による
- II-B-12 Paraffin切片から単離した細胞における background fluorescence と azocarmin G によりブロック染色法
- 1-III-1 単鎖DNAをマーカーとした発癌剤スクリーニングの試み
- 31-III-19 加令に伴うBSP肝機能の変化 : 顕微蛍光測光法による定量的解析
- 31-III-16 Feulgen 反応における非特異蛍光のAzocarmin G によるブロック
- 73. binucleationおよびpolyploidizationにみられる有糸分裂像
- 70. 加令に伴うpolyploidizationのメカニズム
- 63 binucleation および polyploidization のメカニズム
- 1-III-2 蛋白-DNAの同時蛍光顕微定量法による子宮癌の客観的診断
- 1-II-4 蛍光抗体法による正常および癌細胞内ステロイドホルモン動態の解析
- B-35 肺腺癌の生長にともなうDNA量の変動過程
- 307 顕微蛍光測光法による大きさ1cm以下の小型肺癌のDNA量解析
- II-C-33 核たん白SH基及び核DNAの同時定量法の開発-第二報-
- 顕微鏡トモグラフィによる間期染色体の3次元観察 (染色体)
- I-64 房室結節の加齢による組織学的変化の定量的解析 (その1)
- II-C-31 ヒト特殊心筋細胞の核DNAの定量(I) : 房室結節について
- 急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)の冠動脈病変発生機序について : 第36回日本循環器学会近畿地方会
- II-C-38 AO染色に基づく顕微蛍光多重測光法の実用上の問題点の検討
- 9. Pararosaniline Feulgen 螢光測光による細胞集団DNA量分布の年令的変化に関する研究
- 8. 螢光測光・ARG併用法によるマウス組織のDNA合成速度の成熟に伴う変化に関する研究
- 37. Feulgen Cytophotometry によるヒト中枢神経細胞の増殖と分化の分析 (神経系)
- P-42 喉頭の白板症および癌におけるP53遺伝子の検討
- I-B-24 コンピュータ制御による自動多重顕微蛍光測光装置の開発
- 1-III-3 顕微蛍光測光法を用いた癌細胞グリコーゲン合成速度の解析
- 71. 核DNAと細胞質Glycogenの1個細胞内同時定量法の開発 : 蛍光二重染色と顕微測光法を用いて
- 17. 定量的組織化学による最も幼若な赤芽球の同定とその形態学的研究
- 60 Hb量とDNA量の同時顕微螢光定量法による正常人骨髄赤芽球系細胞の増殖と分化の解析
- D32 昆虫の脳-中腸内分泌系 : 4. ^3H-チミジンオートラジオグラフィーによる中腸上皮細胞の動態の追跡(生理学・生化学)
- 神経系の発生における細胞運動の意義 (細胞運動と細胞骨格) -- (細胞運動)
- I-A-20 印環細胞癌の粘膜内での粘液分布パタンのカラーイメージアナライザによる解析
- I-A-19 レクチンを用いたヒト印環細胞癌の核DNA定量
- 心臓の発生とN-カドヘリン発現 (細胞接着)
- コンフォ-カル蛍光レ-ザ-顕微鏡 (機能を見る顕微鏡)
- SII-1 組織化学による神経系分化の分析 (神経科学における最先端組織細胞化学 : 分化と再生)
- SA3 カラーイメージアナライザーを用いた定量蛍光組織化学
- I-66 顕微蛍光測光法によるヒト角膜内皮細胞の核DNAの定量 (第5報) : 多倍体化と細胞面積との関係
- I-20 顕微蛍光DNA定量による消化管カルチノイド腫瘍の解析
- 1. マトリックス細胞の分化と組織化学
- II-C-40 吸光蛍光分光分析装置を用いた各種測光用色素の特性スペクトルの測定
- 66. Feulgen 核染色と抗 UV-DNA 螢光抗体法の同時併用と定量性の検討
- 65. Feulgen DNA定量と 3H-TdR ARG 併用によるUV損傷DNAの切除型修復の解析
- レ-ザ顕微鏡による細胞機能の評価
- 癌細胞の発生とプログレッション
- コンフォ-カル走査型レ-ザ顕微鏡との応用
- いろいろな顕微鏡で何を見るのか(パネルディスカッション) (機能を見る顕微鏡)
- グリアの話-2-
- 9. 脳内炎症性細胞に関する免疫組織学的研究-第1報
- 中枢神経系の発生-3-細胞発生の第3期:グリアの発生(カラ-アトラス)
- 36. 酸性ムコ多糖類の神経細胞内移動に関する研究 (神経系)
- I-A-26 アルカリフォスファターゼをマーカーとした胃癌初期像同定の試み
- 31. 螢光顕微測光法によるHeme量と核DNA量の同時定量法とその応用
- 30. 輸血多血症マウスの骨髄にみられる芽球様細胞の形態とヘモグロビン合成の解析
- 共焦点顕微鏡がひらく分子細胞学の世界
- 脳の進化 (人間の脳)
- 中間径フィラメントの遺伝子制禦と神経発生 (中間径フィラメント)
- 形態形成の分子生物学--ヒトの脳の形態形成とその進化--コンピュ-タ・グラフィックスによる研究
- II-C-39 落射式顕微蛍光DNA測光のための定量的DAPI染色法の開発
- コンピュ-タ・グラフィックスによる形態形成の研究 (コンピュ-タによる生物現象の再構成)
- 神経発生における細胞の極性 (細胞の極性)
- グリア細胞の発生と分化 (神経グリア)
- 腫瘍細胞の形態分化と機能分化(特別講演I, 第23回日本臨床細胞学会総会)
- 神経発生における細胞周期とS期の意味(シンポジウム 発生における細胞周期と細胞分裂の意義を探る)
- 7. 落射螢光測光法および螢光測光・ARG併用法の定量組織化学的意義
- 42. 顕微測光による表皮細胞のDNA定量 (顕微測光その他)
- 41. 顕微測光における散乱誤差 : 塗抹標本における検討 (顕微測光その他)
- 14. 顕微分光による DNA 定量と非特異的吸光