70. 加令に伴うpolyploidizationのメカニズム
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概要
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肝細胞において加令と共にpolyploid cellが増加することが知られている。このメカニズムに対して, 前回DNA合成能の盛んな幼若ラットにDNAのcross-linking剤を投与するとpolyploid cellが著増すること等を示し「DNAにcross-linksの障害を有する細胞がDNA合成を介してpolyploid cellになる」という私達の仮説を報告した。今回, DNA合成能の低下した若い成熟ラットを用いて, cross-linking剤投与群と非投与群の両者において肝部分切除を行ない, 切除時肝および再生肝でFeulgen染色塗抹標本を作製し, 落射式顕微分光測光装置により肝細胞核DNA量の変化を測定比較した。肝部分切除時の肝においては, cross-linking剤投与ラットと非投与ラットではploidy patternに著明な変化はみられなかった。しかし, 肝部分切除後の再生肝においては, cross-linking剤投与ラットでは非投与ラットに比べpolyploidizationが顕著に進行していた。今回の実験結果は, polyploidizationのメカニズムとして, DNA損傷とDNA合成能の両者が重要な因子であることを示し私達の仮説を支持するものと思われる。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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