9. 脳内炎症性細胞に関する免疫組織学的研究-第1報

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北村らは, ^3H-TdRを用いた実験により, 脳内炎症性細胞は, 全て流血中の単核球が損傷に反応して脳実質内へ侵入したものであることを示した。今回我々は, 蛍光抗体法を用いて脳stab woundに際し出現する細胞の由来を追求し, 上記の結論を支持する結果を得たので報告する。〔方法〕D系ラット腹腔炎症性細胞を抗原としウサギに免疫し, 得られた抗血清を腹水肝癌AH-13で吸収し, 一次血消とした。この血清の性状は, 既知の正常細胞組織に対して蛍光抗体間接法を行ない, 単球, マクロファージ及び多核白血球とは反応するが, リンパ球及び他の正常組織とは反応しない事を確かめた。そこでD系ラット脳にstab woundを加え4日目に屠殺, 損傷脳組織の凍結及びパラフィン切片を作り, 上記抗血清を用いた蛍光抗体間接法により蛍光観察を行ない, さらに同一切片を脱封入後H-E染色し, 蛍光観察と同一部位を光顕的に比較観察した。〔結果〕損傷中心部に集積する細胞及び損傷近傍で小動脈周囲の脳実質内に集積する細胞に蛍光を認めた。さらに損傷周囲の脳実質内にも明瞭な蛍光を有する細胞を散在性に認め, これらの細胞は, 流血中の単球が脳実質内へ侵入したものであると考えられた。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20

9. 脳内炎症性細胞に関する免疫組織学的研究-第1報

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