精巣腫瘍156例の臨床統計

概要

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大阪大学付属病院では1957〜1988年の32年間に,156例の胚細胞性精巣腫瘍を経験した.組織型は114例(73.1%)が単一組織型で42例(26.9%)が混合組織型であり,80例(51.3%)はseminoma,76例(48.7%)は非seminomaであった.seminomaは,全例20歳以上で,平均36.1歳であった.非seminomaは,0〜4歳,20〜39歳の年齢帯をpeakに2峰性分布を呈し,平均22.9歳であった.臨床上の病期分類は,seminoma/非 seminomaが各々,stage I:63例/48例,IIA:6例/9例,IIB:5例/6例,III:6例/13例であった.5年生存率(Kaplan-Meier法)は,1957〜1987年でstage I(71例):98.4%,IIA(11例):72.7%,IIB(4例):0%,III(5例):20%,1979〜1988年ではI(40例)・IIA(4例)・IIB(7例):100%,III(14例):26.8%であった.PVB療法を主治療として行った20例の進行癌に限れば,5年生存率はstage II(6例):100%,III(14例)168.6%で,絨毛癌の組織を含む症例では,他の組織型の症例に較べ予後が統計上有意に(p<0.05)悪かった(2年生存率で40.0%/86.8%).
1990-06-20