睾丸間質機能の検討 : 第8報 : 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対するゴナドトロピン長期投与の経験

概要

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1) 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を有する16〜32歳の男子16例に対して hCGおよび hMGを長期投与 (24〜48ヵ月間) し, 第二次性徴および妊孕性を観察した. 2) hCGの投与は週1度または2度, 1回3, 000〜5, 000国際単位を筋肉内, hMGは週2度75国際単位を筋肉内とした. 3) 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症はゴナドトロピン単独欠損症 (10例), Kallmann症候群 (3例), 思春期以降下垂体剔除を受けたものおよび化膿性髄膜炎後がそれぞれ2例, 1例であり, 経過観察中は6ヵ月に1度づつ血中 testosterone値 (T.) を求め, 経過観察後は第二次性徴の変化および精子数を追求し, 一部症例には経過観察前後に睾丸生検術を施行した. 4) ゴナドトロピン単独欠損症のうち, 第2次性徴および妊孕性に良好な結果を得たのは2例であり, いずれかに不十分ながら反応をみたものは4例, 他の4例は反応不良であった. Kallmann症候群のうち, 2例は第二次性徴にわずかの反応をみたが, 妊孕性に関してはいずれも不良であった.下垂体剔除術後および化膿性髄膜炎後の3例は, 第二次性徴および妊孕性とともに良好な反応をみた.また T.の推移および睾丸組織所見も大略上記結果を裏付けるものであった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1983-07-20