非閉塞性無精子症に対するTESE(Testicular sperm extraction)-ICSI(Intracytoplasmic sperm injection)の予測因子の検討

元データ 2000-07-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

(目的)TESE-ICSIは非閉塞性無精子症に対して広く用いられてきたが,その適応については今だ議論の残るところである。今回われわれは精子回収の可否,ICSIの結果などについてそれを予見する術前のパラメータがないか,後向き検討を行った。(対象と方法)1997年7月から1999年9月まで大阪大学医学部泌尿器科およびその関連施設でTESE-ICSIを施行した非閉塞性無精子症の症例,44例においてその臨床的パラメーターとTESE,ICSIの結果との相関を調査した。(結果)1)44例中32例(72%)で精子の回収に成功し,うち29例でICSIを施行,15例(46%)で妊娠が成立した。10例はSertoli-cell-onlyの組織型が確認されていたが,うち3例(30%)で不動精子が回収された。2)精巣容量,JSC,FSHが精子回収の可否を有意に予測するパラメーターであったが,閉塞性の要因の関与も考えられるJSC8以上の症例を除外するとその有意差は無くなった。染色体異常の有無は精子回収の可否を予測するパラメーターとはならなかった。3)妻の年齢,精子運動性の有無,精巣容量は受精の可否を予測するパラメーターとなった。染色体異常は女性の可否を予測するパラメーターとはならなかった。(結論)非閉塞性無精子症で精子の回収を予測する絶対的なパラメーターはなかった。非閉塞性無精子症のすべての症例がTESE-ICSIの適応となり,またTESE-ICSIなしでは絶対不妊の診断は下せないものと思われた。

著者

松宮 清美 大阪大学医学部泌尿器科学
藤岡 秀樹 大阪警察病院泌尿器科
奥山 明彦 大阪大学医学部泌尿器科学
古賀 実 箕面市立病院泌尿器科
古賀 実 健康保険組合連合会大阪中央病院泌尿器科
北村 雅哉 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター泌尿器科
北村 雅哉 大阪大学医学部附属病院泌尿器科
小森 和彦 大阪警察病院
古賀 実 健康保険組合連合会・大阪中央病院泌尿器科:(現)箕面市立病院泌尿器科
藤岡 秀樹 大阪警察病院泌尿器科:(現)徳州会野崎病院泌尿器科
松宮 清美 大阪大学医学部泌尿器科
西村 憲二 大阪大学医学部泌尿器科
三浦 秀信 大阪大学医学部泌尿器科
竹山 政美 健康保険組合連合会・大阪中央病院泌尿器科
北村 雅哉 国立大阪病院 泌尿器科
三浦 秀信 市立柏原病院 泌尿器科
三浦 秀信 大阪警察病院泌尿器科:(現)大阪大学医学部泌尿器科学教室
西村 憲二 大阪大学医学部泌尿器科学
奥山 明彦 大阪大学医学部泌尿器科

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