進行胃癌に対するlymphokine-activated killer cellおよびinterleukin-2による併用療法の有用性ならびにその限界
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概要
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進行胃癌例14例に対してlymphokine-activated killer(LAK)細胞とinterleukin-2(IL-2)併用による免疫療法を施行した.2単位/mlのIL-2で3〜4日間培養されたLAK細胞を週に1〜2回静脈内に投与した.あわせてLAK細胞投与開始日から1,000単位のIL-2を1日に1〜2回経静脈的に投与をおこなった.LAK細胞ならびにIL-2総投与量はそれぞれ0.8×10^<10>から6.9x10^<10>コならびに3.3×10^4から21.4×10^4単位であった.LAK細胞投与による副作用として,頭痛,悪寒戦慄,発熱および白血球増多が全例にみられた.またIL-2によるものとしては軽度の発熱,軽度体液貯留,好酸球増多がみられた.縦隔リンパ節ならびに骨転移巣は本療法に対して反応はみられなかったが,肺転移巣のみ有していた9例のうち3例にPRが認められた.PRがみられた3例のうち1例は残存した肺病巣を外科的に摘除することにより,tumor freeにすることができたが,肺転移巣摘除後10ヵ月目に脳転移があらたにみられた.残り11例のうち3例に本療法施行中あるいは後に脳転移がみられた.さらに,本療法に有効な症例をin vitroの自己腫瘍細胞を標的にしたLAK活性の程度から予知しうるか否かについても6例において検討を加えた.しかしながら,in vitroのLAK活性と臨床効果との間には一定の相関は得られなかった.本免疫療法はCRが得られなかったものの,14例中3例にPRが認められたことから,腎癌特に肺転移巣に対しては有効であると言えよう.しかし,本免疫療法は脳転移を惹起する可能性のあることも念頭に入れておかなけれぱならないものと考えられる.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1991-03-20
著者
-
中野 悦次
大阪大
-
園田 孝夫
大阪大学医学部泌尿器科学教室
-
瀬口 利信
協仁会小松病院泌尿器科
-
松田 稔
大阪大学医学部泌尿器科
-
中野 悦次
大阪大学 医系研究 臓器制御外科
-
園田 孝夫
日本臓器移植ネットワーク西日本支部
-
多田 安温
大阪大学医学部泌尿器科学教室
-
中野 悦次
大阪大学医学部泌尿器科学教室
-
瀬口 利信
大阪大学医学部泌尿器科学教室
-
松田 稔
大阪大学医学部泌尿器科:(現)大手前病院泌尿器科
-
菅尾 英木
国立大阪病院泌尿器科
-
岩崎 明
大阪労災病院泌尿器科
-
多田 安温
大阪大学医学部泌尿器科:(現)行岡病院泌尿器科
-
園田 孝夫
大阪大学医学部
-
岩崎 明
大阪大学医学部泌尿器科
-
菅尾 英木
大阪大学医学部泌尿器科
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