膀胱粘膜上皮の非腫瘍性組織変化に関する検討第2報 : バルーンカテーテル留置による影響

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バルーンカテーテル留置中の35例に対し膀胱生検を施行し、粘膜上皮の病理組織学的変化を検討した。35例中男性33例、女性2例で、留置期間1ヵ月より9年まで、平均2年5ヵ月であった。全例腫瘍変化はみられず、Brunn's nestsが13例(37.1%)に、以下hyperplasia8例(22.9%)、dysplasia、squamous metaplasia各5例(14.3%)、columnar metaplasia4例(11.4%)、cystitis glandularis3例(8.6%)、cuboidal metaplasia 1例(2.9%)がみられた。また全例粘膜固有層のリンパ球浸潤がみられたが、留置期間が1年以下の症例に著明なものが多く、留置して1年までは著明な炎症が起きるが、それを過ぎると軽減するものと考えられた。またdysplasiaとsquamous metaplasiaは留置期間が1年以下の症例ではみられず、この2つの変化は短期間では発生しないことが推測された。第1報で報告したカテーテル非留置症例の結果と比較すると、留置群においてdysplasia、hyper-plasia、columnar metaplasiaが有意に高頻度でみられた。また男性のsquamous metaplasiaも留置群で高頻度にみられた。これらの変化はpre malignantと考えられているため、長時間のバルーンカテーテル留置症例に対しては定期的な尿細胞診、膀胱鏡等の検査が必要であり、そして、まず可能な限り長期間の留置を避ける努力をすることが肝要と思われる。
社団法人日本泌尿器科学会の論文

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